2016年09月30日

途上国の教師の給与は本当に低いのか?

「途上国では教師の給与が低いため、優秀な人材が教師になりたがらず、教師の質が低い」とよく言われます。ベトナムでもこのようなことをよく耳にします。

しかし、本当に教師の給与は低いのでしょうか?

例えば、ベトナムでは公立の中学校に勤務する40歳の教師の月当たりの給与は大体500万ドン(日本円で約23,000円)で、確かに低いと言わざるを得ません。

しかし、日本のように塾や予備校専任の講師がほとんどいないベトナムでは、副業として教師の多くが放課後自分の家などで、子ども達に勉強を教えています。

例えば、放課後教師宅に20人の中学生が来て、2時間授業を受けたとします。このような場合、ベトナムの平均的な地方都市では、中学生1人当たり5万ドン(230円)の授業料が大体の相場と考えられます(ハノイやホーチミンではもっと高い)。

20人×5万ドン=100万ドン(約4,600円)の 収入を、一晩の副業の授業で教師は得ます。

週5日、4週間教えたとして、100万ドン×週5日×4週間=2千万ドン(約9万2千円)の収入を1ヵ月の副業の授業で得ます。

これに正職の学校教師としての給与500万ドンを足すと、2千500万ドン(約11万5千円)の月収入です。

この収入の額は、現地の日系企業で働く日本語検定1級(ものすご〜く大雑把に言って、英検1級にあたる日本語検定版の1級)レベルのベトナム人の給与の額と同じくらいです。

ただし、この例は生徒が集まり易い英語や数学の授業であって、生徒がそこまで集まらない国語や理科、社会の教師は、放課後に私的に授業を開いても英語や数学の教師ほどの収入は得られないようです。

放課後に教師が個人的に開講する授業のほうが収入が良いと言うケースは途上国ではよくある話です。

少なくともベトナムの都市部のケースを見ると、確かに正職の教師としての給与は低いですが、副業の教師としての収入も考慮に入れると、その低さが原因で優秀な人材が集まらないとは一概に言えないと思います。

一方で、山岳部や遠隔地では、確かに優秀な人材は教師になりたがりません。ベトナム政府は山岳部や遠隔地で勤務する教師の給与の額を割り増しにしています。

しかし、都市部と比べて、人口(生徒数)が少なく放課後に個人的に授業を開講してもそれほど生徒数が集まらないうえ、物価が安いため、都市部ほど授業料を生徒達から徴収することができません。

結果として、副業を含めた全体の収入は都市部よりも低いうえ、生活環境も厳しい中で、山岳部や遠隔地で教師として働きたい人はあまりいません。

ベトナムのGDPには、教師の収入は正職での給与(例:40歳で月500万ドン≒2万3千円)しか含まれておらず、副収入 (例:40歳で月2千万ドン≒約9万2千円) は含まれていません。
 
このようにGDPにはカウントされていない経済活動が途上国には色々あります。これらを見極わめなければ、その国の人達の経済状況を誤解してしまいます。

(崎)
11:11 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月23日

これから、です。

今朝出勤前にテレビをつけていたら
情報番組から卓球の福原愛選手の
結婚(報告?)会見の様子が流れていました。

出かける直前の少しの間だったのでちょっとしか聞きませんでしたが、
結婚会見というと、相変わらず「嫁の料理」の話になるんですね。

オリンピックメダリストだろうが、
ミリオンセラーの歌手だろうが、
結婚した女性=料理、の構図は崩れないようで。

みなさん、愛ちゃんが相手に食べさせる料理が美味しいかどうか
興味ありますか?

それとも他に聞くこと思いつかないのかしら。

なんてな。

今日の話題はこれじゃありません。


エファジャパンHPの「最近の活動」について。
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15:37 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月17日

フェイスブック

Facebookに今まで関心はありませんでしたし、今も関心はありません。
しかし昨年アイルランドを訪問した際、友人からアカウントを開くように勧められ、始めました。
とは言え、関心がないので、ここ1年以上投稿していません。
ただアイルランドの「友達」から投稿の連絡があるので、時々「いいね!」はクリックしています。

アイルランドの「友達」の多くは、かつてバングラデシュでいっしょに働いたNGOのメンバーです。
イスラム教徒が多数を占めるバングラデシュでの生活経験があるため、イスラム教やイスラム教徒に対する悪意に満ちた偏見には、嫌悪と反感をもっています。

「友達」のひとりから、Facebookを通じて下記のYouTubeのビデオを紹介されました。
Jewish and Muslim Walking Together (Social Experiment)
https://www.youtube.com/watch?v=g2H1OkItvHs
明らかにアラブ人とわかる服を着た男性とユダヤ人とわかる服を着た男性が仲良く道を歩き、それを見た周囲の人々の反応を撮影したものです。
ユダヤ人地区とアラブ人地区での反応に注目してください。

(大)
18:54 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月09日

善意の連鎖

着任から瞬く間に1カ月が過ぎました。おかげさまで楽しんで仕事をしています。ありがたいことです。

公務員時代、予算執行の原則は「効率第一」でした。
今は、出資者の思いをどうしたら現地の人々に伝えられるかに心を砕くようになりました。思いが伝われば、その善意はいつか彼の地で拡がっていく、そう確信するからです。

昔、善意の連鎖をテーマにした映画を観ました。
『ペイ・フォーワード 可能の王国』 (原題はPay It Forward)

ペイ・バックは仕返しをする、ペイ・フォーワード はその逆です。
映画では、中学1年生の男の子が、「世の中を良くするために自分にできることは?」という宿題に答えて、次のような提案をします。

人から親切を受けたら、3人に親切を贈る。その3人はそれぞれ3人に親切を・・・と皆が行動すれば、世の中は確実に良くなる。

そして少年は行動を起こし、少年に影響を受けた周囲の大人たちの善意のありようが、時にコミカルに、時にシリアスに描かれます。

衝撃のラストシーンで、彼を取り巻く大人たちは、彼が始めた善意の連鎖によって驚くほど大勢の人々が救われていたことを知るのです・・・。

9月のシルバーウィーク、お時間のある方はT屋でレンタルされてはいかがでしょう。最近めっきり涙もろくなった私など、子役が出てきた時点で涙目です。


我々の海外支援では、短期間での成果や形に残る支援を求められることがあります。一面で、これは仕方のないことです。

が、教育支援とは、人を育てる支援です。結果が出るまでに時間がかかります。その当然の事実を踏まえ、出資者の方々と共に良い事業を作っていければと思います。

安心してください。心の通った支援なら、いつか必ず善意の連鎖は起きます。
私自身、20年も前に受け取った善意のバトンを次の走者に渡すために、今エファにいるのですから。

(小)
16:30 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月02日

地域での学びの場

先月から仕事以外の活動として、地元の自治体が主催する「活動支援コーディネーター養成講座」というものに参加しています。

この講座は、多様化する地域での様々な課題に取り組む人たちのつなぎ役(コーディネーター)として活動する人を養成するために、ファシリテーション(話し合いの場づくりの技術)などを学ぶというもの。
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18:17 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月27日

向上し始めたベトナムの接客マナー

最近、ベトナムでの接客マナーが向上し始めたと感じるようになりました。

以前は、店に入ると店員が挨拶もなしに突然「mua gi(何買うの?)」と話しかけてきて、買い物した後は、「ありがとう」も言わずに商品を渡してサヨナラと言った感じでした。

5つ星ホテルのお土産店の店員が、店に入って色々商品のことを見聞きした結果、何も買わなかった客に対して舌打ちしたり、怒ったような態度をすることも珍しくありませんでした。

しかし最近では、徐々にこれらの接客態度が改善され、特に最近ベトナムに展開し始めた外資系のコンビニやファーストフード店では、客が店に入ると「Xin chao, quy khach(お客様、こんにちは)」、店を出る時は「Xin cam on, quy khach(お客様、どうもありがとうございました)」と店員が挨拶をします。

(日本では当たり前かもしれないけど)こんな丁寧な接客を受けると、「あれ?ここベトナムだっけ?」という錯覚を当初は受けたものです。

ベトナム航空の事務所の職員の接客態度も随分改善されました。以前は、カウンターに行って客から用件を話さないと、職員は何も話そうとしませんでした。しかし最近は、「Hello. Can I help you?(こんにちは。何か御用ですか?)」と、先に話しかけてくれます(ただし、これはハノイのベトナム航空の事務所の話で、地方の事務所ではまだ昔の接客態度が抜けていません)。

ベトナム大手の銀行、べトコムバンクの窓口でも、まだ黙って客に終始無言で接客する行員もいますが、数年前と比べ随分接客態度は良くなっています。

最近行った病院では、診察室を探していると、その様子を見た職員のほうからこちらに近づいてきて、「どこをお探しですか?」と尋ねてきました。「おおっ」とちょっと感動しました。

2年前、南シナ海の領土問題で、中国船がベトナム船を襲撃し沈没させた時、ベトナム各地で中国に対する抗議デモが起こりました。中国人はベトナムにはちょっと居づらい雰囲気になっていました。

その頃、あるベトナムの旅行会社が「We are welcome to all foreigners! Especially Chinese people!(私達は外国人の皆さんを歓迎します!特に中国人の方!)」と書かれた看板を掲げているのを目にしました。

物腰が柔らかいベトナムの接客が、ベトナム経済の発展にも貢献していくことでしょう。

(崎)

11:04 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月20日

支援される国のイメージ

昨日Facebookを開いたところ、
タイムラインの上に「写真誕生から177年」のお知らせ(?)が。

何のことかとググって(って今も言うのかしら)みたところ、
1839年8月19日にフランス学士院(国立アカデミー)で
ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが世界初の実用的写真撮影法である
ダゲレオタイプを発表した、と出てきた。

何のことかと思って調べてみたものの
あまり良く分からない(笑)のだが、
日本で言うところの銀板写真というやつの技術が
正式に世の中に知らしめられた日から177年(中途半端…)
ということらしい。
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11:05 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

普遍的な初等教育の達成

 達成できなかったミレニアム開発目標のひとつは、「2015年までに、すべての子どもが男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする」ことです。
 カンボジアでは、多くの子ども達が依然として小学校に行くことができないでいます。
 エファジャパンは、そのような子ども達のために非公式に初等教育の基礎を学べる寺子屋教室を現地の市民団体と共に運営していますが、先日興味深い映像を教えてもらいました。
 ぜひご覧ください。
 https://www.youtube.com/watch?v=6v4SRboKSe8
(大)
22:49 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月05日

着任ごあいさつ

8月1日付けで事務局長候補としてエファジャパンに採用となりました小宮と申します。立派な事務局長となれるよう、大島前事務局長の下で修行中です。研修終了後に正式に事務局長に就任する予定ですが、しばらくの間、関係各位にはご迷惑をおかけすることと思います。広いお心で見守っていただければ幸いです。

前職は法務省で保護観察官をしておりました。非行や犯罪に陥った少年や成人の社会復帰を支援する仕事です。東京、大阪、沖縄での勤務経験があり、各自治体の福祉部門の方々にはとても助けていただきました。

私は大学4年時に中国で国際交流の体験をしたことからアジアに目覚め、以後、時間とお金を工面してはバックパッカーとしてアジア各国を旅し、国内ではバングラデシュの孤児院を支援するNGOに参加して楽しく活動をしていました。

そのうちどうしてもアジアで暮らしたくなり、万策を尽くして、20代末の2年間、法務省からタイの大学院に留学させてもらいました。ソーシャルワークを勉強し、タイのいくつかのNGOでボランティアをして、スラムで暮らし薬物に手を染める少年たちや、人身売買の被害に遭った少女たち、そして彼らに寄り添い社会の不正義と人生を賭して闘う、素晴らしいタイの社会事業家の人々と出会いました。

当時、日本の法務省はタイで少年院(職業訓練校)を建設するJICAプロジェクトを実施していましたが、旧来の少年院の環境は劣悪なままでした。私は自分でNGOを設立し、留学生仲間と共に少年院の環境改善のための活動を行ないました。留学終了後は私自身もJICA専門家として半年ほどタイの刑務所改善の仕事をしました。

任期を終え帰国すると、法務省に国際協力部が設立され、主にベトナム、ラオス、カンボジアで立法や司法に携わる人々の育成支援が精力的に行なわれるようになりました。私は同部にリクルートされ、翌年から3年間、JICA専門家としてラオスの法務省、最高裁判所、最高検察庁での人材育成プロジェクトを指揮し、充実した時間を過ごしました。

しかし、私のアジア・バブル″はついに終焉を迎え、ラオス後の10年間、私は保護観察官として日夜ひたすらに働き、アジアとの縁は失われていました。このまま保護観察官の仕事を続けるのか、あるいは法務省を飛び出して国際協力の世界に戻るのか、少しだけ悩んで後者の道を選び、縁あってエファジャパンの一員となりました。

エファジャパンの活動を通じて、再びアジアの子供たちの笑顔に出会えることは、私にとって何にも勝る喜びです。インドシナの地に一つでも多くの笑顔を花開かせることができるよう、私自身も常に笑顔で活動したいと思います。今後ともエファジャパンへの変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。 

(小)
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2016年07月29日

元気に夏を乗り切る

昨日関東地方もようやく梅雨明けとなりました。
今年は梅雨の期間が長く、7月下旬になってもすっきりしない天気が続いていました。

そんな天気のせいか、今月は我が家の子どもたちの体調もいまひとつに。

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13:56 | Comment(0) | - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする