2013年02月22日

『地球にやさしい生活』

というDVDを観た。

原題は“No Impact Man”。

「Impact」は環境問題の文脈では「負荷(をかける)」
と訳すことが多いと思うので、
直訳すれば「(地球に)負荷をかけない人」。

ニューヨークに住むある家族の1年間を追った
ドキュメンタリー映画である。
  
作家、ブロガーであるコリンは
「日頃環境問題に関する発言(問題提起)をしながら
自分は大量消費生活をしているのが常々嫌だった。」
と、1年間、地球に負荷をかけない生活(No Impact Project)
を、妻&2歳の娘と共に実験してみることに。
(そしてその経験を本として出版する…それがお仕事の作家氏)

・ゴミを出さない
・新しいものは買わない
・移動手段は徒歩か自転車だけ
・地産地消
 (機械化された大規模生産・加工・運搬による地球への負荷回避のため)
 →条件を満たす肉が手に入らないので肉食は諦めることに
・外食・テイクアウトもしない
・電気を使わない

ある日突然全てを手放す訳ではなく
自分達を慣らしながら徐々に実行して行くのだが、
半年経ったところで最後の砦の電気に別れを告げて
完全なる(まぁ、だいたい)No Impact生活に突入する。

当然、通勤するにも買い物に行くにも自転車
(後ろにカートを付けて子どもを乗せる姿は
 トゥクトゥク・ニューヨークバージョン)、
9階にある我が家へたどり着くのも階段で。

食料は主にローカルマーケットか、
家庭菜園用の土地を借りて自分で栽培。
(チーズ・牛乳はローカルマーケットで手に入る)

洗濯機も冷蔵庫も使わずに、
生ゴミはミミズを入れた自家製コンポストへ投入である。
 
 
お肉大好き、買い物大好き、
カフェイン中毒でテレビ中毒(親近感湧きまくり)の妻ミシェルは
よりにもよって現代の大量生産・大量消費社会の動力である
ビジネス界をカバーする業界紙「Business Week」誌のライター。

自発的にやろうと考えた夫とは違い、
彼女にとっては物理的にも精神的にも相当な変化になるだろうに
それほど気負う様子が見られないなと不思議に思っていると、
買い物中毒の自分を変えるいい機会なんじゃないかと
実験の大変さよりも自分にプラスの効果に期待を寄せているみたい。

ライターという職業柄、徹夜の原稿をカフェインで仕上げることも
しょっちゅうあったのではないかと想像するが、
コーヒーが飲めない(地産地消の条件をクリアできないから)あたりで
第一の関門&夫と妻の心構えのズレも表面化したりして、
その辺の夫婦の風景もなかなか面白い。
 
 
マスコミから注目を浴びながら(あるいはそのせいで)、
同時に変人・売名と相当な批判を受けたりするあたりは
アメリカらしいなと思いつつ、
日本だったらどんな取り上げられ方(受け止められ方)
をするんだろうと考えてみたり。

コリン自身が言うように、この実験は
「環境保護のために皆がこういう生活をするべきだ」
という趣旨の主張ではなく、
本当に必要なもの、本当は必要じゃないものを見極めるために
一旦全てを止めてみるという身を挺しての「実験」である。

自分がやるこんだったらと想像すると「絶対無理っ」と思ってしまうが、
決して必死の形相で我慢大会をしている訳ではなく
生活の変化を楽しんだりもしていて好感が持てる。

まぁ、「新しいものを買わない」などは
1年の期間限定だからできることで、
娘のためにユーズド(中古)の服を購入するあたりでは
『でもそれって誰かがいつか新品で買ったものだよね』
とつい思ったりもするわけなのだが、
地球への負荷を軽くするためのリユース・リサイクルは
「極力」あるいは「無駄な」消費・廃棄をしないことな訳で
別に石器時代に戻ろうって言ってるんじゃないしいいんじゃねー、
と一人で勝手に質疑応答、一件落着。
 
 
彼らの生活がどう変わっていくのか
自分だったらどうするかと考えたり想像したりしながら
一緒に「実験」を体験した気分になれて、
私としては、やってみてくれてありがとう、という感じ。

コリンがこの実験生活をするうちに
自分以外のエコにこだわった仕事や活動をする人々と出会い、
世界が広がったり自分の考えを改めたりするのに伴い、
観ているこちらの視野も広がってくる。

1年間が終わった後彼らがどんな風になっているのか、
その1年を観終わった自分がどんな風に思うのか、
いろいろと感じるところがあり面白い映画だった。

『地球にやさしい生活』
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