2017年07月10日

日本で働きたい障がい児の父親

先日、エファが支援しているベトナム・ハイフォン市の障がい児クラブの活動を視察した時、ある障がい児の父親と話をしました。

家族は妻と5歳になる男の子の3人で、5歳の子どもは聴覚障がいを患っており、一度手術をしたことあるものの、まだ耳が良く聴こえないということでした。

もう一度手術を受ければ耳が良く聴こえるようになるということですが、手術費用は日本円にして370万円かかるとのこと。

その父親は昔静岡県の製紙工場で1年ほど工員として働いことがあり、日本語も少し話せます。現在は、ハイフォン市郊外の製紙工場で働いており月収は(直接は聞いていませんが)恐らく2万円〜3万円だと推測されます。

そこで子どもの手術費用を貯めるために、もう一度日本で働きたいということでした。日本で単純労働に就いているベトナム人の技能実習生が1年で100万円貯めていると仮定しても、370万円貯めるには4年弱はかかります。

問題は働き口を探すこととビザの取得。

技能実習生ならベトナムの至る所で、(怪しい会社も多いですが)人材派遣会社が募集しているのを目にします。彼に「技能実習生としてなら3年〜5年働けるのではないか?」と尋ねたところ、「28歳までしか駄目で、私は31歳だから無理です」という回答。

私自身詳しく技能実習制度を知っている訳でないので、自宅に戻ってネットで同制度を調べてみると28歳という年齢制限はないような気が…

よく批判の対象になる日本の技能実習制度ですが、同制度で働きお金を貯めてベトナムに戻り新たな小ビジネスを始めたり日本語を覚えたりして、感謝していると言うベトナム人にも少なからず現地で会ってきました。

より良い暮らしをしたいと思う以前の段階として、子どもの障がいを治すために日本で働きたいという彼の思いには、子を持つ同じ親として心を打たれる思いがします。

もう少し私自身でも探してみて、何かあれば彼に情報を提供してみたいと思います。

(崎)


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