2017年03月26日

東南アジアの障害児に車椅子を贈る会が訪越

3月20日〜24日まで、「東南アジアの障害児に車椅子を贈る会」のメンバーら8名がベトナムに来られ、3月22日〜23日にハイフォン市のエファの事業地を訪問されました。

「東南アジアの障害児に車椅子を贈る会」は自治労東京都本部障害労働者連絡会議のOB・OGと現職の有志メンバーが中心となって設立したNPOで、自身が障がい者の方も少なくありません。今回も訪問メンバー8名のうち、4名が車椅子を使っている方でした。

ベトナムに来てみて、皆さん、バイクの多さに驚くとともに、「ベトナムはバリアだらけじゃないか。これでは障がい者は外に出られない。」と呆気に取られていました。

確かにベトナムはバリアだらけで、道も凸凹が多く障がい児者にとっては、不便極まりないと思います。

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車椅子寄贈時の集合写真

しかし、貧困問題が漸く改善されつつあるベトナムでは、障がい児者に目が向け始められたのは最近で、近年建てられたショッピングセンターやホテルには、車椅子を使用する人専用のトイレやスロープが設置されている所もあり、ベトナムも徐々に変わりつつあります。

今回は貧困家庭の障がい児4名の家庭を訪問し、日本から持ってきた車椅子を寄贈しました。帰りのバスの中で、「親も嬉しそうだったし、車椅子を寄贈して良かったね」と皆さんが雑談されているのを聞いて、現地でアレンジをした私としても嬉しくなりました。

ベトナムの町の中心部では自動車、バイクが無秩序に走っており、交通量も多く、道には段差があり、車椅子で外に出かけるのは簡単ではありません。しかし、農村部では交通量も少なく、道に段差もなく、案外と車椅子でも出かけられます。

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5歳の女の子に車椅子を寄贈

今回寄贈した車椅子4台の内、3台は農村部の障がい児に寄贈しました。天気の良い日に、この車椅子で散歩でもしてくれたらなあ、と思いました。

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障がい児クラブ訪問

(崎)
11:25 | Comment(0) | ベトナム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月13日

ベトナム、重度の障がい児宅戸別訪問

エファジャパンは、ベトナムでソーシャルワーカーが重度の障がい児宅を戸別訪問し、カウンセリングを行う活動を支援しています。

私もその戸別訪問に何度か同行したことがありますが、そこではいつも重苦しい空気が流れています。

戸別訪問をする地域としては農村部の障がい児宅が多いのですが、農村部は都市部と比べ経済的に貧しいうえ、障がい児にかかる医療費で家計がさらに逼迫しています。

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重度障がい児の戸別訪問宅

日本でも重度の障がい児の世話をするのはとても大変ですが、ベトナムの農村部では病院や施設に連れて行くこともできず、そこから職員がケアをしに来てくれるわけでもありません。

重度の障がい児がいる多くの家庭では、自分達で薬を購入して飲ませる程度で、あとは家に寝たきりのまま、母親か祖父母、或いは親戚の誰かが傍で常時付き添いをしています。

日中父親は働きに出ている場合もありますが、これらの家庭では両親は離婚したり、父親が蒸発してしまっているケースが少なくなく、家庭の経済状況は非常に厳しいです。

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現状を必死にソーシャルワーカーに訴える保護者

ベトナム政府による障がい児支援の規定では、障がいの程度や家庭の経済状況に応じて、日本円で1ヵ月1,500円〜7,500円ほど、障がい児に支給されることになっていますが、制度上の不備や実際の財源不足などが原因で、あまり当てにできない側面があります。

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エファジャパンは、ベトナム、ラオス、カンボジアで困難な状況下にある子ども達の支援を展開してきましたが、経済的に貧しいからと言って泣く保護者を私は見かけたことはありません。しかし、ベトナムで障がい児支援をしていると、子どもの将来への不安や世話をする負担の大きさから泣き出してしまう保護者が少なくありません。
 
ここに障がい児本人及びその保護者が如何に大変な思いをしているかを感じます。

また、エファジャパンのような支援団体がどんなに現場の状況を良くしようと活動しても、手術でしか直せない障がいもあり、200万円〜500万円かかります。一人の人生を変えることのできる支援なのですが、手術代の支援は、実際は「お金を集め、与えて終わり」の募金活動でまとまったお金が必要であることから、外部からの支援を得にくい分野でもあります。

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エファジャパンの支援活動を通して、少しでも重度の障がい児とその保護者らの助けになれればと思っています。

(崎)
10:18 | Comment(0) | ベトナム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月02日

ベトナム・障がい児クラブ保護者の声

エファジャパンは現在、ハイフォン市で7箇所の障がい児クラブの活動を支援しています。以下は、その内の1つであるフンティエン村障がい児クラブで、保護者代表を務めるグエン・バン・フン(仮名:5歳、男子)の祖父が、当クラブの会議で発表した原稿を一部抜粋した文章です。

「人は誰でも皆希望を持って生まれてきます。人々が最初に普通に望むことは、他の人が自然とできることを自分もできるようになることです。即ち、人が育っていくうえで、基本的な発達や形態を辿ることです。しかしながら実際は、全ての人がそのような幸運に預かれる訳ではありません。色々な事が原因で、産まれてきた人の中にはハンディに耐え、不安、心配、悲しみに冴えなまれながら、家族や社会も悲観的にならざるを得ない人もいます。

しかし幸いなことに、望んでいないこれらのハンディを、文明社会では人々が暖かい手を差し伸べ、愛情、理性、責任を共感・共有し、サポートしてくれます。(エファジャパンの現地協力機関である)ハイフォン市ソーシャルワーセンターやその各関係協力機関が行なっている活動は、その一例を体現しています。

フンティエン村障がい児クラブに加入している私の孫フン5歳は、知的障がいと先天性奇形の二つの障がいを抱えています。フンは2015年3月からフンティエン村障がい児クラブに加入し、1年近くが経ちました。障がい児クラブで行われる各活動や、心理的・物的サポート、障がい児クラブと家族の連携したケアなどにより、私達はフンティエン村障がい児クラブが次のような有益な効果をもたらしてくれていると感じています。

1.フンティエン村障がい児クラブでの交流を通して、フンは周囲の人・物に対してより積極的に感じ、反応するようになりました。自閉症の症状はまだ重いものの、少しずつ軽減されているように思えます。
2.記憶力の向上、他人を思いやる姿勢、自分自身を大切にする行為などが、フンからはっきりと見て取れるようになりました。
3.家族が持つフンへの懸念も以前ほどではなくなり、フンの成長に対する希望も徐々明るくなってきました。

これらの効果が見られるようになるには様々な要因が影響していると思いますが、障がい児クラブが行なう活動やケアが重要な役割を果たしていると思われます。

フンティン村障がい児クラブでお世話になっている子ども達の家族及び保護者の代表として、ハイフォン市ソーシャルワークセンター、エファジャパン、支援者、ビンバオ郡労働傷病兵社会局、フンティエン村人民委員会関係者、特に障がい児クラブの活動の開催に直接関わってくれている方達に、子ども達及びその家族に喜びと幸福をもたらしてくれることに深く感謝申し上げます。」

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(フンティエン村障がい児クラブ中秋節のイベント活動風景)

(崎)
10:08 | Comment(0) | ベトナム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月29日

ベトナムの子どもにお土産を渡す悩ましい習慣

ベトナムは今、テト(旧正月)休暇中です。今年のテトの元旦は1月28日。テトはベトナム人にとって一番大切な休日で、テトが近づくと町中が浮かれた雰囲気に包まれていきます。

しかし、子ども関係の支援をする海外団体には悩ましい習慣が…

それは支援先の子ども達にお土産を配らなくてはならず、そのための出費が嵩むこと。

しかも、このように子ども達にお土産を配る習慣は、テトだけでなく、子どもの日、中秋節と年に3回あります。「お土産を配らなくてならない」とは勿論法律で決まっている訳ではないのですが、子ども関係の支援を行っている団体にとって、ベトナムの習慣として、支援先の子ども達にお土産を配らないという選択肢はないと個人的に思っています。

ベトナムでは子ども関連の機関、施設、センターで、支援の要望としてまず挙がるのが、「テト、子どもの日、中秋節のお土産の支援」です。

これは現地の人々の支援ニーズと言えるのだろうか?と、悩んでしまいます。

お土産の中身は大体、お菓子やミルク、調味料などです。これらをテト、子どもの日、中秋節に支援先の子ども達にお土産として配らないと、現地の人達からは「あれ?なんでお土産を配らないの?あなたの団体はベトナムの文化を知らないの?」って感じに思われてしまいます。

もしエファがお土産を配らなければ、現地の協力機関(エファの場合はハイフォン市ソーシャルワークセンター)の地元政府や子ども達に対する面子が潰れ、ゆくゆくは協力機関、そしてエファが現地で活動をしにくくなってしまいます。

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テトのお土産を支援先の子ども達に配布


ただ、困難な子ども達とは言え、皆様の寄付金などからなる支援を持続性のあるプロジェクトや活動費でなく、一過性のエンターテイメント的色彩の強いお土産のために使っていいものか… 「支援金をそんなにお土産代に使っては支援者に説明がつかない」と時折言っては現地政府には態度として示しお灸を据えます。

彼らからは大体、「そうとは分かっているけど、お土産は挙げない訳にはいけない…」というような回答が返ってきます。

「支援先の子ども達にお土産を渡すことが本当に必要なら、現地の政府が自分達でお金を出せばいいんじゃない?」という声を日本人から言われることもあるのですが、実はこの時だけは現地の政府も、エファからのお土産とは別に、自分達のお金で子ども達へのお土産を購入して一緒に配ることも少なくありません。

また、現地政府だけでなく、地域の企業や子ども好きな住民も寄付をしてお土産を渡したりします。地域の全世帯が少額でも寄付をして、子ども達にお土産を購入して配っている村もあります。

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地域の住民がテトのお土産を贈呈

「う〜ん。う〜ん。それでも支援金の使い方として、日本人として何か心に引っかかるなあ」と思いながら、今年のテトも支援先の子ども達にお土産を配りました。 (崎)
09:59 | Comment(0) | ベトナム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする